断熱等級7の家づくりで高性能住宅づくりの経験値をさらに高める|「澄暖の家」施工を通して京都市内に完成した「澄暖(すのん)の家」。この住宅は、高性能住宅の設計を数多く手がける建築家 田代ゆかり氏(アプリコット建築研究所 代表)が設計を担当し、私たち創業元治元年小林工務店が施工を担当しました。断熱等級7という高い断熱性能を備えながら、できるだけ設備に頼りすぎず、建物そのものの性能や自然の力を活かして快適に暮らす。そんな考え方でつくられた住まいです。
今回の施工は、私たち小林工務店にとっても、高性能住宅づくりの経験と実績をさらに積み重ねることができた、大変貴重な機会となりました。
建築主に選ばれた建築家と工務店
今回の計画では、建築主が設計と施工を担うパートナーとして、それぞれ建築家と工務店を選定されました。高性能住宅の設計実績が豊富な建築家 田代ゆかり氏(アプリコット建築研究所 代表)。そして、高性能住宅の施工経験を積み重ねてきた私たち創業元治元年小林工務店。それぞれの専門性を活かしながら、一つの住まいをつくり上げていくことになりました。
私たちにとっては、建築主から施工を担う工務店として選んでいただいたことを大変ありがたく感じると同時に、その期待にしっかり応えなければならないという思いもありました。設計図に描かれた性能を、実際の建物としてきちんと実現する。それが私たち工務店の役割です。
高性能住宅だからこそ、「分からないまま進めない」
断熱等級7のような高性能住宅は、性能の高い材料を使うだけで完成するものではありません。断熱材をどのように施工するのか。構造材との取り合いをどう納めるのか。設備や配管が通る部分をどう処理するのか。一つひとつの施工が、住宅全体の性能に関わってきます。
そのため今回の工事では、基本的に田代ゆかり氏の設計に従いながら施工を進めましたが、現場で判断に迷うことがあれば、そのまま曖昧に進めることはしませんでした。
「この納まりで性能を損なうことはないか」
「設計にはどのような意図があるのか」
「現場の状況に合わせて変更する必要がある場合、どのようにすれば性能を維持できるのか」
その都度、田代ゆかり氏と連絡を取り、確認を行いながら施工を進めました。
現場では、図面だけでは判断できないこともあります。しかし、高性能住宅では「たぶん大丈夫」という判断が、性能低下につながる可能性もあります。だからこそ、分からないことを分からないまま進めないこと。今回の施工で、私たちが特に大切にした姿勢です。
建築家と工務店が一緒につくる高性能住宅
高性能住宅では、優れた設計だけでも、優れた施工だけでも十分とはいえません。建築家がどのような考えで住宅を計画したのかを工務店が理解し、その意図を現場で確実に形にしていく。そして、施工中に課題が生まれれば、建築家と工務店が情報を共有しながら解決していく。今回の「澄暖の家」では、そうした連携を大切にしながら工事を進めることができました。
設計する人と、つくる人。それぞれの専門性を活かしながら、一つの目標に向かって家づくりを進める。高性能住宅をつくるうえで、その大切さを改めて実感した現場でした。


断熱等級7の経験と実績を、さらに積み重ねる
私たち小林工務店では、これまでも高性能住宅の施工に取り組んできました。その一つが、南丹市日吉町で実証実験住宅として設計・施工した「郊外に建つ平屋」です。この住宅も、断熱等級7の性能を備えた住まいです。そして今回の「澄暖の家」は、私たちにとって断熱等級7の住宅づくりにおける、また新たな経験と実績となりました。
同じ断熱等級7の住宅であっても、設計や敷地条件、建物の形、採用される設備や換気システムが違えば、施工で求められる対応も変わります。だからこそ、一棟ごとの経験が私たちの施工力を高めてくれます。
今回の「澄暖の家」では、断熱性能だけでなく、パッシブ換気(※1)とデマンド換気(※2)を組み合わせた換気システムなど、これからの住宅づくりで注目される技術にも触れることができました。
新しい技術を知るだけでなく、実際の建築現場で施工を経験する。そして、その経験を次の家づくりに活かしていく。そうやって一棟一棟、経験と実績を積み重ねていくことが、私たち工務店にとって何より大切だと考えています。
【用語解説】
※1)パッシブ換気:ファンなどの機械で空気を強制的に動かすのではなく、建物内部の温度差や高低差によって生まれる自然な空気の流れを利用する換気方法※2)デマンド換気:排気口に組み込まれた湿度感知センサーが室内の湿度(水蒸気量)を検知し、自動的に排気をオン/オフ、また排気量をコントロールする第三種換気のシステム


日本エコハウス大賞2026で奨励賞を受賞
そして「澄暖の家」は、住宅専門雑誌『建築知識ビルダーズ』を発行する株式会社エクスナレッジが主催する「日本エコハウス大賞2026」において奨励賞を受賞しました。
建築家 田代ゆかり氏(アプリコット建築研究所 代表)と創業元治元年小林工務店が、設計と施工それぞれの専門性を活かしながら完成させた住まいが評価されたことは、私たちにとって大きな喜びであり、自信にもなりました。
もちろん、賞を受賞することが家づくりの目的ではありません。建築主に長く快適に、安心して暮らしていただける家をつくること。それが何より大切です。そのうえで、今回の経験と評価を、これからの住まいづくりにつなげていきたいと考えています。


「京都で高性能住宅を建てるなら小林工務店」へ
創業元治元年小林工務店は、長い年月にわたり京都で木造建築に携わってきました。京町家や古民家の改修など、昔から受け継がれてきた木造建築の技術を大切にする一方で、これからの時代に求められる高性能住宅にも積極的に取り組んでいます。
南丹市日吉町の「郊外に建つ平屋」、そして今回の「澄暖の家」。一棟一棟、異なる条件や設計に向き合いながら、高性能住宅の施工経験を積み重ねていく。その積み重ねが、私たちの技術力と施工力をさらに高めていくと考えています。
そしていつか、「京都で高性能住宅を建てるなら、創業元治元年小林工務店」と、多くの方に思っていただける工務店になること。それが、私たちがこれから目指していきたい姿です。
「澄暖の家」で得た新たな経験を、次の家づくりへ。私たちはこれからも、長年培ってきた木造建築の技術と、新しい住宅技術の両方を大切にしながら、京都で快適に、そして長く住み続けられる住まいをつくっていきます。