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地盤改良が安心のすまいの足元を固める

地盤調査は地盤改良のためにある

先月のブログでは、建築時の地盤調査の重要性についてお伝えしました。同時に、小林工務店ではSWS(スクリューウエイト貫入)試験を調査方法として採用しており、場合によっては常時微動探査法も併用することで、地震発生時の地盤の揺れ方に応じた基礎や建物構造まで検討していることをご紹介しました。

さて、地盤調査の結果、地盤が住宅の重さに十分に耐えられないと判定された場合には、「地盤改良」を行うことになります。今回のブログでは、地盤改良の必要性とその手法についてご紹介します。

地盤改良は地盤調査の判定の結果に応じて

「地盤改良」を簡単に説明すると、建築後に建物が地面に沈み込んで損傷したり、地震の発生時に地盤が液状化したりしないように、地盤をしっかりと安定させる工事と言えます。平成12年に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、現在は引き渡し後10年間に生じた構造上重要な部分の不備や欠陥については、売主の責任で補修することが定められています。そのリスクの大きさから、住宅会社が地盤調査の判定を無視して改良工事を行わないことはまずありません。

なお、以前のブログで、地盤調査は建築基準法で義務化されているとご紹介しましたが、地盤改良の方は義務化されておりません。それは地盤調査の結果、十分に安全で改良の必要がないと判定される場合もあるためです。

支持層までの深さが浅い場合は「表面改良工法」

ここからは、多くの手法がある地盤改良の工法の中から、住宅建築でよく利用されるものついてご紹介します。

まずは、「表層改良工法」。支持層(固い地盤や地層)までの深さが2メートル程度の時に用いる、軟弱地盤の改良に適した工法です。セメント系固化材と表層の土とを攪拌、混合、転圧し、安定した地盤を構築します。

全国的に適用事例が多く、比較的安価で小型重機でも施工が可能というメリットがあります。ただし、粘土質の地盤になると浸透水を除去する手間が必要など、施工性が悪くなります。また、施工者によって仕上がりにバラつきがある点もデメリットと言えます。

支持層までが深い場合は「小口径鋼管杭工法」

逆に、支持層までが深い場合には「小口径鋼管杭工法」を用います。地盤に打ち込んだ鋼管で地中から建物を支えるため、表層改良や柱状改良では対応できない土地や、大型機械の進入が困難な狭小地に適した方法です。

比較的コストが高いのがデメリットですが、支持層までが深い改良にも対応でき、既製品を使用するため品質が安定しているというメリットがあります。また、養生期間が短く1~2日程度で工事が終わることもポイントです。

広く用いられている「湿式柱状改良工法」

「湿式柱状改良工法」は小〜中規模建築物向けの地盤改良工法で、支持層までの深さが2〜8メートルまでの地盤に使われる工法です。地盤を筒状に掘り下げて固化材を混合して地盤内に柱状の構造体を作成し、家屋の荷重を支持させる工法です。広く普及しており、比較的安価に深い深度の改良にも対応できるというメリットもあります。一方で、残土が出る点や施工後に養生期間が必要な点、また有機質土での固化不良などデメリットはあります。さらに、地中深くにセメント製の柱が何本も残るため現状復旧が難しく、将来土地を売りたい場合は注意が必要です。

なお、南丹市日吉町に建てた高性能住宅は、建物の寿命が長く将来の土地の売却の予定もないことから、この工法を採用しています。

地盤内に直径600ミリの柱状の構造体を複数作成し、建物を支えます。

土地の価値を考えるなら「天然砕石パイル工法」

柱状改良工法と同様に地面を筒状に掘り下げ、そこに天然の砕石を詰めて土台とする工法が「天然砕石パイル工法」です。幅広い支持層までの深さに対応でき、水はけも良いため地盤の液状化を防ぐことも期待できるのが特徴です。湿式柱状改良工法と異なり、固化材を一切使わず地中に人工の杭を残さないため、土地を売却する際に有利になる点もメリットといえます。

一方で、砕石を詰める際に音や振動が発生する点や適用できる地盤を選ぶ点、残土処分費が嵩む点がデメリットです。

地盤改良は専門家の意見を仰ぎながら

このように、地盤改良にどの手法を用いるかは、地盤の支持層までの深さや周辺の環境、また将来的に土地を売却する可能性があるかどうかなど、さまざまな条件によって異なってきます。

なお、建築と同時に不動産を協業している小林工務店としては、土地の売却時のことも考慮して基本的に天然砕石パイル工法をおすすめしていますが、すべての状況において最適な選択肢かというと、そうは言えません。地盤改良はあくまでも安定した地盤づくりが第一の目的ですから、その道の専門家による第三者の意見を仰ぎながら、最良の方法を検討しています。

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