災害にも火災にも強い家をつくる
地震や暴風のリスクに備える
日本人の暮らしは、歴史的に見て自然災害のリスクと常に背中あわせであるといえます。京都に限れば、まず「南海トラフ」による巨大地震があります。日本では、100年から150年ごとに大地震を繰り返し発生させており、近いうちに再び発生の可能性が高いとされ、京都市では震度5強〜6強の最大震度が想定されています。また、京都市とその周辺には複数の断層が存在しており、それらによる内陸地震では、震度7が想定されている地域もあります。
一方、夏から秋にかけて毎年日本を襲う台風も頻発し、その勢力は激甚化する傾向にあります。
耐震等級3を基準にする
このように、自然災害大国の我が国では、たとえどこに住んだとしても常に地震や暴風のリスクが伴います。そのリスクから家族と財産を守る唯一の手段は、「地震や暴風に強い家」に暮らすことです。
「地震や暴風に強い家」のひとつの指標として「長期優良住宅」があります。これは、長期にわたり良好で快適にくらすことができる住宅であると、国の基準により認定されたものです。耐震に関する認定基準は、等級2または等級3(最高等級)であることです。
では、耐震等級3 (最高等級)とは、実際にどのようなものでしょうか。これについては、平成28年の熊本地震の発生後に、震源に近い益城町で行われた被害調査の結果が参考になります。益城町では震度7の地震を2度観測しましたが、耐震等級3の長期優良住宅は、小さな損傷が一部ではあったものの多くは無傷で、被災後も通常の生活を送ることができました。
許容応力度等計算
このような実例をもとに、小林工務店では耐震等級3を基本として住宅の設計を行っています。さらに、長期優良住宅の申請で一般に用いられる「性能表示計算」による設計法よりも、より詳細な計算法である許容応力度計算を用いて建築基準法の想定する地震力の1.5倍の地震に耐えられる基準で設計を行なっています。
【許容応力度計算】
許容応力度計算とは、小規模な建築物に用いられる構造計算の方法のこと。
SUUMO住宅用語大辞典
建築物にかかる固定荷重や積載荷重に地震力などの長期荷重、及び短期荷重を想定して応力(部材等の内部に生じる抵抗力のこと)を算出し、それぞれの部材がそこにかかる応力に耐えられるかどうかを許容応力度(限界点)と比較するというもの。
火災のリスクにも備える
また、家族と財産を守るためには、地震や暴風と同時に火災に対する強さも必要です。これについては「省令準耐火構造」を標準にし、より高いレベルの安全を確保します。
「省令準耐火構造」は建築基準法の準耐火構造とは異なり、独立行政法人住宅金融支援機構が定める構造(仕様)に合致する建築物となります。
主な特徴としては、以下があげられます。
- 隣家などから火をもらわない(類焼防止)
- 火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(延焼防止)
このような特徴から、一般の木造住宅より耐火性能が高く、火災に対して安全性の高い住宅となっています。
災害にも火災にも強い家は保険料も安い
許容応力度等計算による耐震等級3以上の構造や省令準耐火構造の家は、住宅の安全性を高い家であるといえます。そのため、地震保険や火災保険が割引や固定資産税の減免など、様々なメリットもあります。割引や減免の精度について詳しくは、お問い合せフォームにてお問い合わせください。
最後になりますが、令和3年3月19日に閣議決定された、今後の住宅施策の指針となる新たな「住生活基本計画(全国計画)」においても、以下の項目が盛り込まれています。私たちの施策は、これにも沿ったものであるといえます。
- 耐震性等 想定される大規模地震・暴風等による荷重・外力に対し、構造躯体が倒壊等に 至らないように、耐震性能を含む構造強度について、適正な水準を確保する。
- 防火性 火災に対して安全であるように、延焼防止及び覚知・避難のしやすさについて、 適正な水準を確保する。