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「持続可能な社会」のために住宅業界が取り組むべきこと

SDGsはすまいづくりにとっても大切な課題

最近、テレビや新聞で目にする機会が多くなった「SDGs(エスディージーズ)」。その内容は、2030年までに達成すべき世界共通の目標です。2015年の国連サミットにおいて全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げられました。

SDGsは、2030年までに世界の貧困や飢餓、エネルギー問題、気候変動、平和的社会などについて、誰ひとり取り残すことなく、先進国と途上国が一丸となって達成すべき17の目標で構成されています。そして、17の目標の中には、住宅産業・建築業界として取り組んでいかねばならないものがいくつかあります。中でも、以下に紹介する3つの目標については、私たちの業界全体が協力して取り組んでいくべきものであると考えています。

目標7:「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」

<すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する>

この目標は、地球上のあらゆる地域において、電力などの近代的なエネルギーサービスを普遍的に受けられること。そして、そのエネルギーの多くが太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーによるものにするということです。

我が国において、発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率は、現在、水力発電を含めておよそ20%(水力を除くとおよそ10%)です。しかし、2021年7月に公表された第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの比率を2030年に36~38%まで大幅に高める計画案となりました。これは、2020年10月に当時の菅総理が所信表明演説にて宣言した「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量をプラスマイナスゼロにする)」、また、これを受けた経済産業省の「グリーン成長戦略」とリンクした計画といえます。

さらに、国土交通省と経済産業省、環境省による、2021年8月の第6回「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」において、「新築住宅・建築物にZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保」および、「新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されていることを目指す」方針が示されました。

このように、住宅の高性能化と再生エネルギー設備の導入は、今後の家づくりに必須となりつつあります。しかし、その促進の障壁となるのが断熱仕様や設備導入の費用です。性能向上や設備設置の費用は、どうしても初期費用に上乗せになってくるため、建築主の理解と納得が必須といえます。私たち小林工務店は、建築主に住宅の高性能化と再生エネルギー設備の導入の意義とメリットを丁寧にお伝えすることで、普及に貢献していきたいと考えています。

目標11:「住み続けられる街づくり」

<都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする>

世界を見渡すと、いまだ危険で劣悪な生活環境で暮らす人がたくさんいます。これらの人々が、適切、安全かつ安価な住宅および基本的サービスを享受できるようにしようというのが、この目標です。

ところで、「危険な生活環境」という点では、実は日本も例外ではありません。日本は世界有数の災害大国と言われています。2016年の熊本地震では住宅の被害棟数は18万棟超、2011年の東北地方太平洋沖地震では全半壊のみで30万棟を超える被害が出ています。しかし、地震の発生を抑えることはできません。地震から命や財産を守るためには、「地震にも耐える強靭な家づくり」以外に選択肢はありません。

地震のリスクは京都市も例外ではありません。海溝型地震である南海・東南海地震では震度5強~6強が、また花折断層、桃山断層~鹿ヶ谷断層、宇治川断層、樫原~水尾断層などによる内陸地震でも震度5強~7の地震の発生が予測されています。京都での家づくりにおいても「地震にも耐える強靭な家づくり」は必須といえます。

小林工務店では、このような地震予測を前提に、建築基準法で想定している地震力の1.5倍の地震に耐えられる住宅(長期優良住宅の耐震等級3を超える)を、「許容応力度計算」により提案しています。この仕様の住宅は、2016年の熊本地震で震度7が2回観測された地域でもほぼ無傷で残っていたことが確認されており、建築主に安全を約束できる耐震性能といえます。

目標12:「つくる責任 つかう責任」

<持続可能な消費と生産パターンを確保する>

この目標は、2020年までに人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減、さらに、2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減するというものです。

建物が解体されると膨大な廃棄物が発生します。つまり、建築の世界では、解体されるサイクル=建物の寿命を長くすることが、廃棄物の削減に直結します。しかし、現在の日本の住宅平均使用年数は30年前後。これは、アメリカの平均60年前後、イギリスの平均80年前後と比較して、著しく短いと言えます。その原因は、住宅の質が低いことや、リフォームの難しさなどにあります。戦後の住宅の数が足らず、とにかく数を建てなければならない時期に建てられた住宅や、安さを求めて性能面を疎かにしている住宅は、快適性まで考慮はされていません。そのため、リフォームやリノベーションをして住み続けるより、建て替えや取り壊しを選択する方が多いのです。

しかし、近年では「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(2009年)」や補助金によって、長く住まうことができる次世代住宅が推奨され、主流になりつつあります。そのため今後は日本の住宅の平均寿命も、欧米レベルに近づいていくことが推測されます。

そのような流れの中で、小林工務店は率先して「持続可能な次世代住宅の計画」に取り組み、汎用性や耐久性の高い建材を使用するなどにより、長寿命の住宅、メンテナンスコストを抑えることができる住宅をご提案しています。「いいものを創り、手入れをしながら長く使える」、これが私たちの家づくりです。

SDGs達成には建築主のご理解と業界の協力が不可欠

以上のように、SDGsの目標達成のためには、すまいづくり関わる私たちも積極的に取り組んでいく必要性を感じています。しかし、これを実現していくためには、建築主に丁寧に説明し理解と納得をいただくことが絶対条件です。また、業界全体としての前向きな取り組みも必要です。そのため、住宅性能の向上や創エネルギー設備によるメリットについて、このブログなどを通じて発信し、多くの共感を得られるようにしていきたいと考えています。

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